やっと2日後くらいから
梅雨入りしそうな

傘マークが並び始めた北部九州。



実際予報通りに梅雨入りするのですが

その梅雨に備えて最後の晴れマークの日に

駆け込みツーリングをしてきました。


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平日ですがわたしの中で暖めていたSPプランなので

一応マイナリストに告知して

いつも走りたがり屋のもちっこさんを引き連れて

長崎道の金立SAに寄ってみたけど誰も来てないので

2台でこんなところに来てみました。


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目的地は長崎県の西彼杵半島にある島なんだけど

まずは磁器で有名な有田に寄ってみたよ。


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何度も来てるところですが

磁石場は初めて。


磁器に使う陶石を採る鉱山なんだけど

白い石がいっぱいで知らないで見ると火山系の

噴気口がある地獄みたいな雰囲気だ。

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遠くからしか眺めれないのですこし移動して

同じ有田の街の路地裏へ入ってみます。


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今まで磁器製品を売ってる古い家並みが残る

メインストリートや陶山神社くらいしか見てなかったけど

一歩中に入ると磁器を焼く大小の窯元がひしめき合っていて

路地の中はトンバイ塀がいっぱい。


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陶磁器を焼く窯に使っていた耐火煉瓦を利用してる壁なんだけど

釉薬の付着具合とか1個として同じ色がなくて

アートを見てる感覚になります。



路地が細いのでバイクを停めて散歩開始。

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民家にもトンバイ塀が使われてたりして

磁器と切っても切れない街の産業だと実感する場所です。


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有田焼は歴史的にも古いため

工場も年代を感じる建物だったりします。


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さすがあのマイセンが真似した

伝統工芸を生み出した歴史の重さを感じるよ。


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民家のトンバイ塀とベゴニア。



石垣やこんな塀には秋海棠(シュウカイドウ)の花が

良く似合う。


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朝の涼しい空気の中

路地裏の散策を楽しんだら西海方面へ移動。


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陶磁器の街からR202で佐世保方面へ

走って西海橋。


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渡ると西彼杵半島ですが

その半島最初の目的地。


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駐車場の木陰にバイクを停めて歩き出すと

アコウを発見!


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海から少し離れてるためかすこし小さいけど

岩に絡みつくように力強くはえるアコウをクマさんと拝む。

(クマさんは入口の椅子に座ってました)



このアコウのある駐車場に

もしかしたらkamoさんが来てるかな~と淡い期待をしたけど

仕事はサボれなかったようです。


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表だって入れるような案内は無い場所らしいけど

入る人は募金箱に寄付金を入れて入るシステムの様です。



立ち入り禁止エリアと遊歩道は明確にロープで仕切られてるため

はみ出さないように進むと「廃」な場所が・・・

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まるで「千と千尋の神隠し」の世界だ。


ここから歩きながらもちっこさんがちょうどポニーテールで

千尋のヘアスタイルだったので

千と千尋のセリフ遊びが始まります(笑)


わたし大好きなのでほぼ全部のセリフを言えるんです。



セリフを言い始めて

「ここへ来てはいけない、すぐ戻れ。

じきに夜になる、その前に早く戻れ」と

ハクが出てきたところくらいで目的の岩が見えてきた。

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す、すごい!



なんじゃコリャ?って思う岩は

化石の岩なんだよ。


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約20憶年前の石灰藻球石灰岩というもので

岩の表面は牡蠣がいっぱい着いてたような模様があります。


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岩と炭酸カルシウムで形成されてて

長い年月をかけて海の底から隆起して今の位置にあるんだって。


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大きな一枚岩の物も多くあるけど

山頂部分のこの一帯にある岩は風雨にさらされて

こんな迷路みたいに削れたのかもしれない。


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ここもロープが張られていて

見れる範囲が制限されていますが

十分地質のお勉強をさせていただきました。


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やっぱり九州はおもしれ~。


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まだお昼前ですが晴天になって暑くなったし

お腹もすいたのでランチ場所に移動。



バイクで移動するほどでもない場所でランチにしますが

食券の自販機がどう見てもたばこの自販機。


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押してみるとタバコの箱の大きさにカットされた木片が出てきて

その木片に商品名がマジックで書かれていました(笑)



千尋は親子丼でわたしはカツカレー。

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具材を顔にしてみた。



食べ終わったら本日のメインの

島ツーリングへ向けてGO!

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西彼杵半島の道って

どこを走ってもバイク乗りでよかったと思える

道ばかりなので大好き。

(高速道路のインターが近くに無いのがネックです)


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そんな快適な道を走って松島に渡るフェリーの乗り場のある

瀬戸港へ行きますがフェリーの時間まですこし余裕があるので

近くにある尻くさり浜へ行ってみました。



なんちゅう名前じゃと思ったけど

尻が腐るほど座って眺めたくなる浜らしい。

(もっと他に良いたとえは無かったのか?)



ちょっとナビがないと

難しい複雑な分岐を繰り返して到着。

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キャーーーー!


こ、こりゃ尻も腐るわ。

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1日中ボ~っと座っていられる自信があります。



正確には尻久砂里海浜公園というまるで当て字のような

名前の付いた綺麗なビーチです

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1組だけ水着のオネーサンがGレトリバーと一緒に

ビーチでくつろいでいただけで

とっても静かなビーチでした。



「犬がいたね」(もちっこさん)

「水着のオネーサンがいたね」(響)

と同じ海を見てても視点が違う2人。


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千尋とハクでワイワイ騒いでたらビキニの方は岩場の方に

移動されたのでビーチは2人の貸し切り状態。


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わたしの九州Loveが今日も

爆発しそうです。


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この後に島に行く予定がなかったら

パンツになってジャブジャブ入っちゃうかも。



2人で綺麗な海に感動しまくったら

フェリーの時間になったので瀬戸港へ


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窓口で「松島までお願いします」というと

「松島ですか?松島ですよね?」と

念を押されたよ。


ちなみに松島ってココです ↓

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たぶん観光なら炭鉱施設が多く残る

すぐ南にある池島の方に行く人が多いのだろうけど

バイクで走れる道がないので

「バイクで走りたいので松島です」と言ってチケットをGET。

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750cc以上は1050円/片道で

千尋は320ccなので900円。



車は殆どの人が仕事で乗るため車から降りないのか

船内の客室にはだれもいません(笑)


デッキに出てイルカを探しながら17分と短い船旅を満喫したら

松島に着岸しま~す。

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これから周囲16kmの小さな島を

巡るよ~~~!


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フェリーのゲートの段差から地面にフロントタイヤが接地した瞬間に

「上陸じゃ~!」と叫んでまずは島巡りのセオリー通りに

時計回りで走ってるとこんな展望所を見つけました。


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絶景だーーー!



工事現場で使う足場の材料で組まれた

展望所は歩くとボヨンボヨンと揺れるけど

最高の眺めでした。

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ボヨヨン展望台から

すこし進むと手書きで書かれた「ぜぜヶ浦」という看板を発見。


バイクを停めて看板を読むと「不思議な赤い砂浜」と書かれてるけど

同時に道が悪いので歩いて行ってくれ的な事が書かれています。


さっきのボヨヨン展望所と同じ高さの道を走ってるので

海岸まで歩くとなると高低差も含めてめっちゃ遠そう。



どうする?と千尋に聞くと

「赤い砂浜見てみたい」と言うので歩く決心をするのだけど

ちょうどこの道に入ってくる軽トラが居たので浜まで

どれくらいか聞いて見るとバイクで行けるとかすこし荒れてるとか

なんじゃかんじゃと会話が続いて結局こんな事に・・・


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千尋がハクの背中に乗ってるようなシーンになるのでした(笑)



海岸の近くに畑があるらしく

親切なおじさんが乗せてくれたよ。



荷台に乗って良いの?と思うかもしれませんが

ご安心を。


島の車は仕事にも人の移動にも使えるように

荷台乗車申許可申請をしてるのでこの軽トラの荷台も

痛くないようにクッション材が張られていました。



歩くかバイクで行くか迷ってたけど結果

もちっこさんが「わたしこの道無理やわ~」って言ってたので

バイクじゃなくて正解だったうえ

こうして軽トラで行けることになって大大正解なのでした。



海岸のすぐ手前で行き止まりになるので

そこで降ろしてもらって海岸に出ると・・・



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赤い!


なんじゃコリャ?



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以前、五島の宇久利島で火山系の赤い砂の浜を見たことがあるけど

この浜の赤い正体はコレでした ↓

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赤煉瓦。



たぶん長年石炭の採掘がおこなわれていた島だし向かいにも

同じく炭鉱の池島があるので

そこで使われていた煉瓦の欠片が波で削られて

この浜に集まったんだと思います。


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こんな浜は日本のここにしか無いと思います。


赤レンガの砂に交じって

石英の石などもゴロゴロ落ちてて

「これなら白いから下地を塗らずにそのまま絵を描けるんじゃない?」と

言うと今日も石を拾うもちっこさん(笑)


でも帰りの登り坂があるので

2つくらいにして激坂を歩き始めますが

途中に送ってくれたおじさんの軽トラが見えたので

もちっこさんにお礼の挨拶をしに行ってもらいました。

(若干淡い期待を込めて)



その後激坂をヒィ~ヒィ~言いながら上がってると

背後から車の音が・・・


「帰りはキツイやろう?乗りなさい」と

帰りも乗せてもらったよ~~!


「ありがとう」

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本日のヒーローであり白馬の王子様であり僕らの救世主様。


島の人の温かさに感動し

島巡りの再開。


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激坂の苦行はなかったけど暑くてたまらない時間帯になったので

島の商店で水分補給しましょう。


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当然コンビニなんてないし

開いてる売店は旅客用の船のターミナルの売店くらいなので

自販機が有難い存在です。



島の人の買い物はフェリーは島民割引があるので

本土に行くんだろうね。


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商店の自販機で水分補給をして

すこし先へ行くと見たかった松島炭鉱の第四坑跡があります。


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一部しか残っていませんが

ちゃんとフェンスも張られて保存されています。


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有名な長崎の軍艦島から池島と続く帯状の炭田の中にある

炭鉱跡で赤煉瓦の建物は地下135mまである昇降機が入って

いたそうです。


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大正6年に建てられ閉山になる昭和10年まで

動いていた炭鉱の遺構。


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屋根もなくなって

こうして保存状態になるまでは木々に囲まれてしまっていた

事がわかる痕跡が残ってます。



隣のコンクリートの建物は

変電所の跡で説明版には当時の写真が埋め込まれていました。


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なるべく同じアングルで撮ってみたけど

櫓も残っててほしかったなぁ。



見たかった炭鉱の遺構を見て

島巡りの後半へ。

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外周を走る道から

池島を眺めながら島の西側へ抜けると

「日本一小さな公園」


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日本一かどうかは置いといて

とにかく可愛い公園だよ。

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東シナ海に向けて芝生に手作りの椅子と

柵だけの可愛い公園で

小さなシュロの樹が風になびいてとっても

良い演出を醸し出してる公園です。


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最高のサンセットを見れそうな公園からは

遠くに五島列島もはっきりと見えました。



眼下の海も綺麗で

海岸には「廃」なブツもあります。

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なんだろう?


たぶん炭鉱の遺構じゃなくて

戦争遺産の匂いがするぞ。



こんな物件も見れる公園で

のんびり過ごす2人。

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軽トラの救世主様のおかげで時間的に

超余裕なんです。



可愛い公園の先には

来るときに見えていた発電所。

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展望所まである親切な発電所でした。


これが見えたって事は

島を一周したことになるので

港に戻るには早いため逆回りで島を走ります。

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途中で咲いてたハイビスカス。



温暖な島です。


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バックミラーで見てきた風景を

真正面に見ながら戻って釜浦港の中にある「らくだ島」


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顔はライオンっぽいけど

胴体はヒトコブラクダだね。



ってことで良い時間になったので

フェリーターミナルへ。

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帰りの車はこれくらい。



定刻通りに入港したフェリーの先頭に

バイクを停めてジャケットとかを脱いでると

もう動き始めます。


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港を出るときに見える

りんご岩より折れそうな岩。



そんな風景を眺めてると

島からどんどん離れていきます。

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ちょっぴり寂しい瞬間であり

旅情を感じる風景でもあります。


来た時と同じく17分ほどで本土に戻って

すこし南下して外海方面へ。

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陽が長いので17時前だけど

まだ昼のような明るさだよ。


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R202をしばらく走って

大野地区へ入ったところで山側に曲がって到着。


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専用の駐車場からの眺めもスバラシ~。



この駐車場の横に素敵なカフェがあるんだけど

カフェの庭にアコウの樹がありました。


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ここが目的地じゃないけど

アコウのあるカフェなんてステキ過ぎるので

お邪魔してみようかな?と思ったら

明るいので時間の感覚がおかしくなってて

もうオーダーストップの時間を過ぎちまってたぜ。



カフェのマスターにまた来ますと言って

本来の目的地の大野教会堂。

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もちっこさんから歩かないでもバイクで

来れたんじゃない?って突っ込まれたけど

静かなところは静かに見たいからいいじゃないと

説得して教会堂まで坂道を登りますが登ったところに咲いてた

紫陽花が見事でした。

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ツーリングのたびに紫陽花を撮ってたので

今日は紫陽花は封印するつもりだったけど

もちっこさんがこんな壁みたいな紫陽花はコトイチ(今年一番)って言うので

記念撮影しとく。



では本来の目的地の大野教会堂。

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長崎県らしい古い教会群の中でも

特に古い教会で明治12年(1879年)に

マルク・マリ・ドロ神父によりつくられた教会です。

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目をみはるのは現地で調達した

玄武岩をモルタルで固めた「ド・ロ壁」と言う外壁で

貧困に苦しんでいた信者のためにできる限りの材料で建てたられた

素朴な教会です。


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まるでおとぎ話で出て来そうな建物ですが

ドアの隙間から覗くと中は柱が一本もない設計の

教会になっています。


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わたし仏教徒ですが

こういうのを見るとなんだかジーンと涙が出るんだよね。


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わたしが大好きな教会設計の匠である

鉄川与助氏の師匠であるド・ロ神父に触れられる

貴重な教会でした。


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なんだかんだと

今日は内容のめっちゃ濃いツーリングになりましたが

陽が長いとはいえまだ長崎県の西の端っこなので

一気に帰路につきます。



ずっと海を見ながらのRUNでしたが

k12とk205で山の中の超快走路で西海まで戻ります。

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車もほとんどいない道なので

気持ちよく走れるうえめっちゃ時短になりました。


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帰りは佐世保大塔ICから高速に乗って

金立SAでスイーツタイム。


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2千円しか持って来てないもちっこさんがフェリーの往復で

全部つかったのでここは奢り。

(ツーリングで現金が千円札2枚って高校生かっ!)



だってお金ないのにニコニコしてこっち見てたら

仕方ないよね。


これぞ「無言のカツアゲ」




島では使えないけどここではクレジットカードが使えるので

もちっこさんがこうさんの夕ご飯用のお土産を選ぶ間

外に出て待ってると日没になりました。


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虫攻撃タイムの開始です(笑)



もし帰りにどこも寄らなければそのまま

流れ解散になるのでここで解散のご挨拶をして

結局ノンストップでガレージまで帰りました。


銀ガメ号を綺麗にした翌日は午後から雨なので

春から今まで着てたジャケットやパンツを

まとめて洗濯したよ~。


アイロンで貼ってたワッペンが洗濯で剥がれたので

またアイロンではっつけたりしてると外は雨。



梅雨が明けると暑くていつ走るかわかりませんが

またの青空の下のご乗車お待ち申し上げます。



◆◇◆ Minorist Hibiki ◆◇◆


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